コージ
コージ
元SAPIX小学部講師
Profile
埼玉県某塾→SAPIX小学部→システムエンジニア/ブロガー SAPIXでは国語科講師として首都圏校舎に約10年勤務。卒業生には開成・麻布・女子学院などの合格者も。
プロフィールを読む
書評

【公式監修】SAPIX式 学力アップ手帳を読んでみた

コージ

ベストセラーのSAPIX式 学力アップ手帳を元講師が読んだ感想

30年以上にわたって中学受験界のトップに君臨する学習塾がSAPIX小学部です。
そんなSAPIXでは2023年11月に新たな書籍を刊行し、教育業界を中心に話題を集めました。

私も読みました!

コージ
コージ

本記事では、元SAPIX講師の筆者が「学力アップ手帳」を読んだ感想をご紹介します。

スポンサーリンク

「SAPIX式 頭のいい子が使っている学力アップ手帳」概要

学力アップ手帳の概要は以下の通りです。

  • 書名:10万人以上を指導した中学受験塾SAPIX式
       頭のいい子が使っている学力アップ手帳
  • 発売日:2023年11月25日
  • 刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 定価:1,980円(税込)

学力アップ手帳を読んだ感想【良かった点】

まずはポジティブな感想からご紹介していきます。

①コラムが充実している

1つ目の感想はコラムの充実度が高いということです。
10万人以上の子供を指導してきたSAPIX小学部ならではの見識が詰まっています。

子供向け・親向けコラムがそれぞれある

コラムは毎月のスケジュールページの冒頭に掲載され、子供向け×12本、保護者向け×12本です。
子供向けのコラムがなかなか面白いので、保護者の方にも是非読んでいただきたいです。

もし講師時代に知っていれば、生徒の前で同じ話をしていたかも…(笑)

コージ
コージ

強調される「自己肯定感」の重要性

コラムや前書きページでは、子どもの自己肯定感を高める重要性を説いています。

自己肯定感が高まる→自主性が高まる→自ら学ぶ力が付く→成績アップ
ロジックはこんな感じです。

コージ
コージ

そして、自己肯定感を高める方法として…

  • 時間と友達になる
  • 家族のお手伝いをする
  • 翌日をイメージして荷物の準備をする
  • 優先順位を付けて勉強に取り組む

などが紹介されています。
そうです、これらを後押しするのがこの手帳なのです!

子供がイメージをつかみにくい「自己肯定感」という言葉を、コラムの中では「自分が好きな自分になれる」力と表現していました。
子供にとっては新しい概念も、的確に言語化してくれているので助かります!

コージ
コージ

②勉強以外の予定管理もできる

「学力アップ手帳」と謳うくらいだから、勉強一辺倒の内容かと思いませんか?
中を開けてみると、意外とそうでもありませんでした。

確かに、勉強の目標やスケジュールを記録する枠は充実しています。
しかしその他、家族のお手伝い・遊びの予定など、日常生活の項目の記入欄も設けられています

勉強と日常生活の記入欄の大きさは半々くらい。
「まずは日常生活の予定を管理して、その流れで勉強の予定管理につなげていってほしい…」
という思いが見て取れました。

手帳を使う上で、わずかでも「面倒くさいな~」と感じたら継続は困難です。
そんな気持ちを排除すべくシンプルな構成に仕上げた点に、好感を持ちました。

コージ
コージ

学力アップ手帳を読んだ感想【イマイチだった点】

ここからは反対に、ネガティブな感想をご紹介します。

①自ら書き込むカレンダーページ(空欄)が多い

1点目は、書き込み用のカレンダーページが多い点についてです。

本の価格からすると情報量は少ない

この学力アップ手帳は定価1,980円(税込)です。
書き込んでいく書籍として決して安いとは言えない…ですよね?私だけでしょうか

その上で、ページの多くはカレンダー(枠だけ)が占めているので「価格の割に情報量は多くないなあ…」と思いました。
この本に学力アップのヒントを求める方も、同様に感じるかもしれません。

そもそもコンセプトは「手帳」→ 情報量が少ないのは当然か

根本的に、これは「手帳」であり「勉強法の本」ではありません。

そしてこの手帳は「子どもの自己肯定感や自主性を育てる」ことがコンセプト。
自己肯定感や自ら学ぶ姿勢こそが、最終的には学力アップにもつながるという考えです。

つまり、情報量の多さが売りではありません。
むしろ書き込みを増やし、振り返りを充実させることで価値が高まるツールなのです。

勉強法をもっと知りたい!という方には、以下の書籍がオススメ。
SAPIXの指導法が分かりやすく解説されています。

コージ
コージ

②A5サイズでページ内側が書き込みにくい

書き込むことで価値につながる学力アップ手帳ですが、サイズはA5(約15cm×約21cm)です。
真ん中あたりのページは、グッと開かないと書き込みにくいと感じました。

書きにくいならカレンダーページをコピーする?

子供と一緒に手帳を埋める中で、最初は様子を見ていてあげるとよいかと思います。
もしも書きにくそうなら、カレンダーページを必要部数コピーすることも検討すべきでしょう。

「裁断したページをコピーして使っている!」というレビューもちらほら。

コージ
コージ

③上位学年の勉強量には枠が狭すぎる

ネットでは宿題を全部書くと枠が埋まり、その他は書けない!」という感想がありました。
1日の課題をすべて書き出すのは、上位学年ではスペースの面から難しそうです。

この手帳は低~中学年の子どもと保護者をメインターゲットにしている印象です。
保護者向けの前書きには、以下のように書かれています。

ただ、手帳を使う際に心がけてほしいのは、大きな期待を抱きすぎないことです。子どもが自立する力を身につけるには、時間がかかります。あせりすぎず、スモールステップで取り組みましょう。

中学入試までの時間が短い5~6年生は、短期的な結果を求められがちで、必ずしもこの手帳を使うことが適さないケースもあるでしょう。

「習慣を整えて自己肯定感を高める」ことは、一朝一夕に実現できないものですね

コージ
コージ

まとめ

ここまで、学力アップ手帳に関する筆者の感想をご紹介しました。

お子様が言われたことしかやらない…」「自立心が弱いのが心配!」とお悩みの保護者の方は、ぜひ手に取っていただきたいと思います。まずは1週間、親子で手帳にしたがって予定管理してみてください。

この本を手に取った皆さまが「時間を味方に付ける」ことを願っています!

コージ
コージ
スポンサーリンク
ABOUT ME
コージ
コージ
元SAPIX小学部講師
埼玉県某塾→SAPIX小学部→システムエンジニア/ブロガー SAPIXでは国語科講師として首都圏校舎に約10年勤務。卒業生には開成・麻布・女子学院などの合格者も。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました