SAPIXの質問教室とは?使い方の基本とコツを元講師が解説
質問教室とは?
質問教室とは、授業後に生徒が個別で質問できるSAPIXのシステムです。
授業終了
→指定の教室に行く
→教室入口にあるリストに自分の名前・質問したい教科を記入
→席に座って該当教科の講師を待つ
対象学年は4年生から6年生で予約不要。質問は何個でもOKですが多すぎると顰蹙を買うので、1日で2~3個くらいに絞っておきましょう。
質問教室の実情
あくまでも主観で、質問教室の実情を紹介します。
質問の数は算>理≧国>社
生徒からの質問の多く(全体の約半分)は算数です。
授業を終えてから足早に質問教室へ向かっていく講師の多くは算数科ですし、質問教室で最後の生徒の相手をしているのもほとんどが算数講師です。単純に質問数が多いのと、解法が複数ある問題は説明に時間がかかることが背景にありそうです。これはすなわち、算数の質問は順番待ちが長くなる傾向にあるということです。
続いて理科→国語でしょうか、その時期の学習単元や直近のテストの難易度によりますが。社会科は教科の特性上(自力で調べられることが多い)、質問教室の利用者はあまり多くありません。
校舎(長)によりスタンスが異なる
校舎や校舎長により、質問教室へのスタンスが微妙に違います。
どんどん質問教室を使ってください!と保護者会で呼びかけるフォロー手厚めスタイルの室長もいれば、質問教室の存在こそ告知しても、利用を促す呼びかけは少ない室長もいます。室長の雰囲気は講師に伝播しやすく、講師の雰囲気は生徒に伝播しますから、後者の室長の教室だと質問教室に消極的な生徒が増えがちです。授業後は早く帰りたいですしね…
しかし、分からない問題をそのまま放置しておくことの方が一般には問題ですし、質問教室はサービスの一環ですから、校舎がどんな雰囲気であろうと質問教室はためらわず利用すべきです。
講師が質問対応するかどうかは任意
すべての講師が授業後に質問教室へ赴くかというと、実際はそうでもありません。
誘導(駅前やバス停まで生徒を連れていく)担当の講師・研修中の講師・代講で遠方から来ている講師・早く帰りたいベテラン講師は質問教室にいないことが多いです。平常授業以外に午前と午後で別校舎を担当する講師は、遅れないように移動を優先させられるので質問教室はパスします。
質問教室によく来る生徒が固定的
同じ生徒が質問教室に来がちです。最初に質問教室を利用するときは緊張しても、一度行ってしまえば心理的ハードルが下がるということでしょう。講師としては、授業を担当していない生徒でも質問教室によくいる子のことは覚えます。
SAPIXのサービスの範疇なので質問教室は何度利用しても問題ありません。しかし「質問教室に行けば何とかなる」という姿勢は危険。目的意識を持たずなんとなく質問して勉強したポーズをするのは、言うまでもなく時間の無駄です。
元講師直伝・質問教室の使い方のコツ
質問教室を使うときのコツを整理してみました。
・質問は具体的に
・「どこまではできた」を明確に
・メモを残させる
・事前に親から連絡しておくという手
・待ち時間を無駄にしない
質問は具体的に
まずは、質問を具体的にすることです。
抽象的な質問をすると、講師からは抽象的な返答が返ってきます。「どうやったら読解問題ができるようになりますか?」と聞かれても、その方法を詰め込んでいるのが毎日の国語の授業ですから「授業をしっかり復習しようね」と答えるしかないわけです。(実際にこういう質問があります、抽象的な返答を求めているのならそれでもいいのですが…)
「この記号問題の答えは何故『ア』なのですか?」という質問は、少し具体的になりました。それでも講師によってはテキストの解説を読み上げたような返答になりかねません。SAPIXの国語の記号問題はそもそも解説がないことも多いので、それで十分なら構いません。
「選択肢『ア』の根拠は本文の何行目から拾えますか?選択肢『ウ』はどの部分が誤りですか?」まで質問で聞ければ具体性は十分でしょう。ここまで具体的な質問ができる生徒は感心ですし、遅かれ早かれ国語の成績を伸ばしていきます。
「どこまではできた」を明確に
次に「どこまではできた」を明確にして質問を持っていくことです。
「この問題がわからない」に答えるだけだと、お子さんは解説を聞いただけで満足してしまいがちです。つまずいているポイントまで戻り、「わからないことをわかるようにする」のが質問教室の意義だと考えています。
https://www.sapia.jp/advice/clinic/2305clinic.html
上記は、2023年の赤羽橋校(現・東麻布校)の校舎責任者による「さぴあ」の記事の引用です。
質問教室に行く前に、理解できるところ・できないところの線引きをしておくことが重要です。こうすることで、すでに分かっている箇所を長々と説明されたり、肝心なところを飛ばした難しい説明で煙に巻かれたりすることを防げます。
また、質問内容を事前に整理しておいても、いざ講師を前にするとうまく説明できない(あるいは講師の理解力不足の)恐れも。質問内容をお子さんと整理したら、付箋などにメモしてテキストの該当部分に貼っておくのが理想です。
メモを残させる
質問教室を使うときは、必ずメモを取らせてください。
講師にそれらしい説明を受けると、その場では納得感があっても、意外と簡単に忘れて帰る生徒が少なくありません。一度質問したことを二度質問するのは勇気がいるので(大人もそうですよね)、忘れたことを隠して分かったふりをして誤魔化してしまいます(大人もそうです)。
教わったことを忘れないように、一言でもいいのでメモを取らせてください。メモを残すことが自己目的化しそうなら「質問教室から帰ったら、お母さんに解き方を教えてね」みたいな声掛けも有効です。
メモを取ることのもう1つのメリットは、真剣度を講師に伝えられること。質問に向き合わず、その場を切り抜けることだけ考える講師がいても(そんな人はSAPIXにいる訳ありませんが)、適当な発言は許さないという姿勢を見せられます。
事前に親から連絡しておくという手
質問教室において講師の指名は原則できません。
しかし抜け道として、あらかじめ親から校舎に連絡しておくという手があります。そのときに「●●先生(or常勤講師)に質問対応してほしい」と伝えれば、融通を利かせてくれる可能性があります。
またあらかじめ連絡しておけば、授業前テスト中に講師側から声をかけて質問を聞いてくれる可能性もあります。いずれも全体ルールではなく、校舎や講師によってどこまで対応できるか異なることにご留意ください。
待ち時間を無駄にしない
ネット上に散見される質問教室への意見が「待ち時間が長い」こと。
質問教室へのスタンスが校舎(長)により違う点からもわかる通り、校舎や年度によって状況が異なりますが、小規模より大規模校舎、国社より算理の質問の方が長く待つ傾向にあります。質問数や生徒数が多いと30分くらい、最長で50~60分待ったという声も…
待ち時間中に解く問題を決めておく・待機列があまりにも長い場合には別日に行くなどの対策を講じておくのがオススメです。
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