家庭学習・予定管理

【座談会②】SAPIX夏期講習、小5サピ親の葛藤と変化

コージ
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前回に引き続き、SAPIXに通う5年生の保護者3名にお集まりいただきました。夏の過ごし方や学習リズム、家庭内のリアルな様子について本音で語ってもらった座談会の様子をお届けします。

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参加者の紹介

前回と同じく、参加者はSAPIXに通う5年生の保護者3名です。(敬称略)

共働き/小5の娘と小2の息子
せらママ
  • 自身も夫も中受経験なし/中受サポートは夫と半分ずつ
  • 情報収集はSNSがメイン
  • 春から個別塾の併用をスタート
  • 「親子そろってメンタルが不安定。けんかも日常茶飯事です」
共働き/小5の息子
フジタ
  • 自身は中受経験あり/妻は送迎と教材管理をサポート
  • 情報収集はSNSや新聞・書籍など幅広く
  • 個別塾の併用は検討中
  • 「千里の道も一歩から。親のできることを日々考えています」
共働き/小5&中2の息子
れんママ
  • 夫は中受経験あり/夫の中受サポートはほぼなし
  • 情報収集はほとんどせず、塾頼り
  • 個別塾の併用なし
  • 「『手は放すけど目は離さない』がモットーです!」
前半はこちら
【座談会①】SAPIX夏期講習、小5サピ親の葛藤と変化
【座談会①】SAPIX夏期講習、小5サピ親の葛藤と変化

勉強のスイッチが入らない理由

コージ
コージ

ご家庭では、具体的な「志望校」の話題が上がっていますか?

フジタ
フジタ

うちはかなり話してます。具体的な校名も出てます。
というか、逆算して“そこに届く勉強”をすでに今してる感覚ですね。ただ、息子があまり“感情表現しないタイプ”なので、本人がどう感じているかは正直分かりづらいところがあります。

れんママ
れんママ

うちも少しだけ話してます。
息子はいわゆる鉄道オタクで「鉄道研究会がある学校がいい!」とこだわり、遠い学校でも通う気満々です(笑)
最近はだんだん志望校の問題傾向とかを知りたがるようになって、本人なりに受験意識を持ち始めたようです。

せらママ
せらママ

うちは……ほとんど話題に出てないです。というかどこを目指してるのか親も分からないというのが正直なところで…。

せらママ
せらママ

「まずはSAPIXについていく」が精一杯で、志望校の話って、なんとなく“まだ先のこと”って思ってたんですよね。でも最近、個別の先生に「どこを目指すかで勉強の設計が変わる」と言われて、ちょっと焦り始めてます。

コージ
コージ

「どこを目指すかで勉強の設計が変わる」なんて言われたら、志望校を意識せざるを得ないですよね…
お子さんのモチベーションに好影響がありそうですし、勉強と切り離してでも志望校を調べてみるとよさそうですね。

せらママ
せらママ

ほんとにそうなんです…笑
「成績も安定してないのに志望校なんて」って避けてたけど、逆に“目標がぼんやりしてるから勉強のスイッチが入らない”面もあるのかもって気づかされて。

せらママ
せらママ

最近は、パンフレットをリビングにさりげなく置いてみたりして「この学校、カフェテリアがすごいんだって〜」とか“勉強抜きの情報”で話してます。
そしたら意外と「制服かわいい」とか「理科の実験多そう」って反応してくれて、きっかけづくりとしては成功だなって思いました。

れんママ
れんママ

いいですね!“受験校”じゃなくて“通いたい学校”としての見方って、子どもの目線には合いやすいですよね。

フジタ
フジタ

うちはつい「偏差値」や「進学実績」から入りがちなんですけど、“どんな生活が待ってるのか”って話のほうが、子どもも自分ごととして考えやすいのかもしれないですね。

せらママ
せらママ

“自分が通う学校”って思えると、勉強への向き合い方も変わりますよね。

志望校の話は、成績より先に“子のやる気”を動かすきっかけになる。

SAPIXと相性のいい個別塾とは?

コージ
コージ

ここまでで、お互いへの質問はありますか?

れんママ
れんママ

あっ、じゃあ私からいいですか?
せらママさんに聞いてみたいんですけど、個別塾ってどんな感じですか?
うちはまだ使ってないんですけど、SAPIXとの“相性”って実際どうなんだろう…って気になってて。

せらママ
せらママ

個別塾は…正直「よかった」です。
うちは算数が苦手で「授業では分かった気になるけど、家だと解けない」って状態が続いてて、春に勇気出して始めたら、ちょっとずつ“自分で解ける感覚”が付いてきたんですよね。

れんママ
れんママ

なるほど~算数がキッカケですよね、解き方教えられない問題がけっこう増えてきてますもんね(笑)

せらママ
せらママ

そうなんです。体験授業の担当だったのがもともと大手塾で校舎長をしていたベテラン先生で、そのまま同じ先生に指導してもらっています。

せらママ
せらママ

あとその塾は、娘のテキストとかテストを見ながら「今すぐ解けるべき問題」と「今は後回しにすべき問題」を選別してくれるのがよかった。SAPIXは問題量が多いから、むやみに教材を増やさないで同じテキストで指導してくれる個別塾を選んで正解でした。

フジタ
フジタ

大切なのは“足し算”より“引き算”ってことですね。

れんママ
れんママ

兄のときは使わなかったけど、個別塾もちょっと良さそう。調べてみますね、ありがとうございます!

あわせて読みたい
転塾せずに成績を立て直すには?SAPIXとの併用に強い個別指導のSS-1
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「なんとなく」が通用しなくなる国語

フジタ
フジタ

じゃあ僕からは、コージさんにひとつ。
SAPIXの先生目線で見たとき、小5の夏の国語ってどんな時期でしたか?保護者としての立場と、講師としての視点が違うと思うので、気になってまして。

コージ
コージ

難しいご質問ですね…。
国語を「センス」や「なんとなく」で解いてきた子は、成績の伸び悩みを感じる時期が小5の夏くらいだと思います。抽象的で論理性の高い文章が増えていくので。

コージ
コージ

また物語文も、入試問題ほどではないですが難解になっていきます。本文を継ぎ接ぎしたような記述答案では点を取りにくく、適切な語彙で説明する力を求める問題が増えていく時期です。

フジタ
フジタ

なるほど、なるほど。

コージ
コージ

問題の難易度が上がったからといって、やるべきことは今までと変わらなくて。

コージ
コージ

接続詞の前後の関係を押さえるとか、選択肢の根拠となる本文に線を引くとか、基本的なことを怠っていないか確認してほしいですね。成績が下がったセンス型の子も、ぜひ基本に立ち返るチャンスにしてほしいです。

フジタ
フジタ

そうですよね。
SOの国語はBタイプ(記述重視)が芳しくなかったんです。だからといって記述だけではなくて、その前の本文理解に不足がないかを確認するのが先ですね。 “基礎をやる意味”を、親の自分がもっと理解しないと…って思いました。

小5の夏の国語は、“センス”より“構造”で読んでいくための転換点。

行き詰まったときの「転塾」より大切なもの

コージ
コージ

皆さんは、SAPIXからの転塾を考えたことはありますか?

せらママ
せらママ

転塾、うちは去年の冬に考えました。
娘が算数の授業に置いてかれてる感が強くて、基本問題さえお手上げで。親目線で、このまま通わせるのはかわいそうだな…と思ったほどです。

せらママ
せらママ

でも本人の気持ちは違っていて。サピを辞めるのは本人がかなり嫌がっていたので、転塾の代わりに春から個別を併用する形をとったって感じです。

フジタ
フジタ

うちは……転塾を考えたことは一度もありません。
小2の終わりから入ったんですが、当時も今も「サピのカリキュラムについていけるなら、その先に一番大きな成果がある」と信じています。

フジタ
フジタ

もちろん“合う・合わない”はあると思うんですけど、個人的には「サピで結果が出ないから転塾する」というより「サピの教材をどう活用するか」の方が先にあるべき議論かなと。
ただ、他塾の資料は定期的に取り寄せてますよ。視野は広く持ちたいので。

れんママ
れんママ

うちは入ったのが新小4の春で、今で1年半くらい通ってます。
で、結論から言うと、転塾は考えたことあります。ただ、それって「塾が合わない」というより「生活が大変」っていう親側の都合でした(笑)

れんママ
れんママ

上の子のときに通ってた塾の方が面倒見良かったな〜とか、このまま塾漬けで大丈夫かな〜とか、ぼんやりした“親の疲れ”みたいな感情から浮かんだもので…。
でも子ども自身は「今のままがいい」って言ってたんですよね。

コージ
コージ

頭が下がります…
れんママさんは転塾を考えた当時、サピの大変さに悩んだようですが、その負担をどのように減らしましたか?

れんママ
れんママ

ありがとうございます〜もうほんと、「親も人間」って思わないとやってられないですよね(笑)
うちは、「全部を完璧にこなそうとするのをやめた」っていうのが一番大きい変化だったかもしれません。できなかったことに目を向ける「減点式」から、できたことに注目する「加点式」で子どもに接するようにしました。

れんママ
れんママ

それから私は「勉強を毎日見ない」ってルールを作って、“週2で関わる親”に切り替えました(笑)手抜きだと思われるかもしれないけど、これが我が家のバランスだったんです。
初めはうまくいきませんでしたが、だんだん自立心が育ってきました。

せらママ
せらママ

全部毎日見ようとして疲弊してました…。“週2で関わる親”ってありかも。

フジタ
フジタ

親にとっては勇気がいるけど、“距離をとる”って結果的に子どもとの関係が良くなるケースもありますよね。

れんママ
れんママ

ほんとそれです(笑)家庭では「何ができたか」より、「どんな空気で過ごしたか」を大事にしようと思っていて。
私自身がラクになったら、子どもも前より話してくれるようになった気がして、親の余裕が“家庭学習の質”に直結してる気がします。

塾を変えるより、家庭の関わり方を変えることで道が開けることも。

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この秋、わが家が大切にしたいこと

コージ
コージ

最後に、この秋の目標を教えてください。

せらママ
せらママ

うちは…この秋こそ「復習をきちんと積み重ねる」っていうのが目標ですね。
夏は“量をこなす”ことに精一杯で、終わった後に「何が身についた?」って聞いても、娘が「えーっと……?」ってなることが多くて(笑)
だから秋は“こなす”より“定着させる”に切り替えたいなと。

せらママ
せらママ

親としては、今までみたいに焦って急かすんじゃなくて「この単元ってどう思った?」って、俯瞰で見られるサポートをしたいです。
それができるように、自分のメンタルを整えるのが一番難しいんですけど…(笑)

フジタ
フジタ

うちは「論理的に説明させる」が秋の課題です。
特に国語と理科ですね。
「解法のパターン”に頼ってきた子が伸び悩み始める時期」だというお話があったので、“なぜその答えにしたのか”を言語化させることを意識してます。

フジタ
フジタ

親としては「黙って見守る」が自分にとって一番難しいテーマかもしれません。
でも「あえて口を出さない」ことで、子どもの自信につながると思ったので…。秋はその最適なバランスを見定めたいです。

れんママ
れんママ

うちはね「学校も塾も、どっちも楽しめたらOK」って感じでいこうと思ってます。
成績とか受験とかって気にしたらキリがないし、中学受験を“人生のすべて”にはしたくないんですよね。フジタさんと似ていますが、秋は“怒らずに見守る”が私の目標(笑)

れんママ
れんママ

たとえば、「あ、理社の復習が抜けてるな…」と思っても、まずは「どうする?」って聞いてみる。
そして、答えを出すのは本人に任せる。それだけでも、親子関係がすごく変わってくる気がしてます。

せらママ
せらママ

「怒らずに見守る」って、シンプルだけど一番むずかしいやつですね…(笑)
私もそのスタンス、ちょっとずつ目指していきたいなぁ。

コージ
コージ

どれも先を見据えた素晴らしい目標ですね。
中学受験生の伴走者である以前に、それぞれのお子さんの「親」としての強い思いが感じられます。

コージ
コージ

本日の座談会は以上です。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

あとがき(編集スタッフ)

およそ1時間の座談会の中で、参加者の皆さまにたくさんの本音を聞かせていただきました。

中学受験は親子の二人三脚。どの言葉にも、それぞれのご家庭が大切にしている“親としてのスタンス”が見え、明日からのヒントになるものばかりでした。この座談会が、日々悩みながら伴走する保護者の皆さまの支えになれば幸いです。

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コージ
コージ
元SAPIX小学部講師
首都圏某塾→SAPIX小学部講師→ブロガー SAPIXでは国語科講師として約10年勤務し、1,000人以上の小3〜小6を指導。塾と家庭のギャップ・子どもに合う学び方の大切さを現場で感じて、教育メディア「サピログ」を立ち上げました。
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