【長文と思考力】小学4年生・SAPIX入室テストの対策
4年生の入室テスト突破に向けた対策を元SAPIX講師が解説
本格的な中学受験カリキュラムがスタートする4年生。
受験を視野に塾選びをする方が増える上、他塾からSAPIXへ転塾してくる方も多いのがこの学年です。
SAPIXに入塾するためには、入室テストで基準点を超えることが求められます。
そこで本記事では、小学4年生で入室テストを受験する前のオススメ対策を解説します。しっかり準備してテストに臨み、最短スケジュールでの入室を目指しましょう!
SAPIXの入室テストの基礎知識
まずは、SAPIXの入室テストを受けるにあたって知っておくべき基礎知識を紹介します。
入室テストを受験するためには
入室テストは、SAPIXウェブサイトの「マイページ」から申し込みます。
初めて受験する方は新しくマイページに登録して、申込フォームを確認しましょう。
基本的には、テスト前日の午後3時まで申し込みが可能です。
入室テストの試験時間(4年生)
4年生の入室テストの試験時間は以下の通りです。
(受験回によって試験時間が異なる場合もあるので、詳細はマイページをご確認ください)
科目 | 試験時間 | 満点 |
---|---|---|
算数・国語 | 40分 | 150点 |
理科・社会 | 25分 | 100点 |
新4年生(3年生の後期)で入室テストを受ける場合、算国2教科のみの受験になります。
入室テスト後の流れ
入室テスト後の答案用紙はSAPIXでスキャンされます。
マイページからお子様の答案を確認できるので、自宅でテストの自己採点や振り返りができます。
採点後の答案や成績速報も後日マイページから確認できます。
テスト実施後から10日以内には、成績表が届きます。
さらに、合格者には手続きに関する書類も同封されていて、この書類にしたがって入室手続きや入室オリエンテーションを受け、晴れてSAPIXに入室できます。
入室テストの受験費用
入室テストは、1度受けるために受験料(2024年現在:3,300円)がかかります。
入室テストが無料の塾・そもそも入室テストが存在しない塾もありますが
SAPIXは有料の方針を取り続けているため、できれば一回で合格しておきたいところです。
4年生の入室テスト対策
ここからは、入室テストを受験する4年生がやっておくべき対策を解説します。
算数 思考力が要る図形問題や条件問題
SAPIXの入室テストの算数では、大問1のよくある計算問題だけでなく、パズルのような図形問題・与えられた条件を整理して解く問題が出題されます。
計算問題では得点できても、慣れないスタイルの図形問題や条件問題は意味が掴めずに苦戦する子が多数。まったく同じ形式の出題があるとは限りませんが、SAPIX準拠の教材で思考力を求める類題に触れておくと、本番の入室テストでも面食らわずに解けることがあります。
その他、規則性を見抜けばすぐに解ける問題がよく出題されています。
力技で計算しても答えが出せるため、ここで時間を使い過ぎてしまう子も…。
国語 長文読解力の強化
4年生の国語の入室テストでは、短い時間で長文を読む力が求められます。
初めて読む文章である上に、記述で解答する問題が普段の学校のテストよりも多いため、1問にこだわりすぎると時間が足りなくなる可能性がある点に要注意です。
ただし、文章が長いとはいえ、入室テストの読解問題はそれほど難解ではありません。
説明文であれば論理構造がハッキリしていますし、物語文なら気持ちの変化やそのキッカケとなる出来事が掴みやすいベーシックな問題が出題されます。時間を測って学校のドリルや市販の問題集を解き、文章のパターンや解法の足掛かりをおさえておけば対策は十分でしょう。
入室テスト対策という観点では時間を意識して解くことが大事です。
すでにお持ちの読解教材で十分ですが、お手元にないという方には論理エンジンなどがオススメです。
国語 3年生までに習った漢字の復習
4年生の国語の入室テストの大問1は、漢字の読み取り・書き取り問題です。
漢字の読みを答える問題が2問・漢字を書き取る問題が8問という構成が基本ですが、出題される漢字はどれも難しいので、知識はもちろん意味を推測する能力も求められます。
加えて、SAPIXの漢字の採点は、細かいトメ・ハネ・ハライの誤りだけで×になります。学校の漢字テストでは高得点が取れている子も、厳しい採点基準の下で正答できるように復習しておくと安心です。
漢字で手堅く点数を稼げば、後半の読解に苦戦しても基準点に届く可能性が高まります。
家庭での漢字勉強にオススメなのが、次の項目で紹介するサピ漢です。
4年生のSAPIX入室テスト対策にオススメの書籍
最後に、4年生の入室テスト対策にオススメの本をご紹介します。
入室テストまでの短い期間で、テストの得点を効率よく上げられる書籍をピックアップしました。
実際に書籍を手に取った保護者の方から
サピログにお寄せいただいたご感想もご紹介します!
①きらめき算数脳 小学3・4年生
教科:算数
対象学年:小学3年生~小学4年生
価格:本体1,900円+税
SAPIXが重視する「思考力」や「ひらめき力」を養える一冊です。
急いで答えを出す力ではなく、自分で解き方を考える力を習得できそうです。
問題文を注意深く読み、ルールを正しく理解しないと解けない問題ばかりです。
親が近くで見守り、苦戦していたらいい塩梅のヒントを出してあげることで、最終的な答えを子どもが自力で導けるように支えることが大切だと思います。
サポートする親の力量も試される一冊です(笑)
「どんどん次に進む本」ではなく「1ページずつ頭を働かせて解く本」です。
似た問題が羅列されたドリルのような本ではなく、問題のコンセプトがページごとに大きく異なるので、コスパがいいと思いました。
②論理エンジン小学生版 4年生
教科:国語
対象学年:小学4年生
価格:本体1,300円+税
小学4年生で押さえておきたい、王道の読解パターンが網羅されています。
問題数が少なく文章の難易度も低めなので、国語嫌いの方にもオススメできる一冊です。
言わずと知れたベストセラーの論理エンジン。
SAPIX監修ではありませんが、短時間で読解の基礎をおさらいするのに最適な本です。
息子は学校のテストの出来はそこそこなのですが、国語力には少々不安があったので論理エンジンを購入しました。
いざ解かせてみると、接続詞の概念がほとんど分かっておらず愕然。「しかし」と「たとえば」の違いも?だったようです。
私が本文以外の例文を作り、二人三脚で整理しました。入室テストの1週間前なのでギリギリのタイミングでしたが、国語の教科書以外の文章を触れさせておいてよかったです。
レビューが軒並み高い「論理エンジン」を買いました。
娘は読書好きなので少し簡単だったようですが、実力を確かめるのに丁度良い一冊でした。
③SAPIXの漢字学習字典 SAPI×漢 改訂版
教科:国語
対象学年:小学1年生~小学6年生
価格:本体1,400円+税
小学校で学習する1,026字すべての漢字を学年別に収録した漢字学習字典です。
漢字の意味・読み・筆順と画数・用例を盛り込んでいて、漢字勉強の拠り所となる一冊です。また、成り立ちやイメージを表すイラストが描かれているので、それぞれの漢字を印象付けて覚えられます。
とにかく見やすい漢字辞典です!
わたし(国語科)も、A授業を担当する日は授業に持っていくことがありました。漢字を指導する時のポイントがすべて結集された一冊です。
漢字は書体がいくつかあると聞きましたが、ネットの情報はどれも不正確なので、家で厳密に採点できないもどかしさを感じていました。
SAPIXの採点基準がこの本で分かるので、我が家で重宝しています。
まとめ
ここまで、SAPIX小学部の4年生の入室テストの概要と対策を解説しました。
入室テストの関門を乗り越えれば、晴れてSAPIX生への仲間入りです。無事に入室テストを通過し、SAPIXで仲間たちと高みを目指せることをお祈りしています。