【漢字と計算】小学3年生・SAPIX入室テストの対策
3年生の入室テスト突破に向けた対策を元SAPIX講師が解説
中学受験塾では、本格的な受験カリキュラムが新小4の春からスタートするのが一般的です。
3年生までは学校の勉強で十分!という意見が多数派でした。しかし近年では…
ゆくゆくは御三家や早慶中に合格したい!
早めにどこかの塾に入って、受験勉強に余裕を持っておきたい
と、難関中をめざすご家庭を中心に、3年生のうちの早期入塾を決断する方が増えています。
SAPIXについて言えば、小規模校舎や一部の学年では定員が少ないので、希望校舎に入れないことを恐れて早く入室する「席取り」も多数。最近は募集停止校舎はかなり減りましたが、それでも難関校への合格を見据えると、3年生のうちに入室して慣れておいた方がいいのかもしれません。
ある校舎では、6年αコースの生徒の半分以上は3年生までに入室していました。
SAPIXに入塾するためには、入室テストで基準点を超えることが求められます。
そこで本記事では、小学3年生で入室テストを受験する前のオススメ対策を解説します。しっかり準備してテストに臨み、最短スケジュールでの入室を目指しましょう!
SAPIXの入室テストの基礎知識
まずは、SAPIXの入室テストを受けるにあたって知っておくべき基礎知識を紹介します。
入室テストを受験するためには
入室テストは、SAPIXウェブサイトの「マイページ」から申し込みます。
初めて受験する方は新しくマイページに登録して、申込フォームを確認しましょう。
基本的には、テスト前日の午後3時まで申し込みが可能です。
入室テストの試験時間(3年生)
3年生の入室テストの試験時間は以下の通りです。
(受験回によって試験時間が異なる場合もあるので、詳細はマイページをご確認ください)
科目 | 試験時間 | 満点 |
---|---|---|
算数 | 30分 | 100点 |
国語 | 30分 | 100点 |
入室テスト後の流れ
入室テスト後の答案用紙はSAPIXでスキャンされます。
マイページからお子様の答案を確認できるので、自宅でテストの自己採点や振り返りができます。
採点後の答案や成績速報も後日マイページから確認できます。
テスト実施後から10日以内には、成績表が届きます。
さらに、合格者には手続きに関する書類も同封されていて、この書類にしたがって入室手続きや入室オリエンテーションを受け、晴れてSAPIXに入室できます。
入室テストの受験費用
入室テストは、1度受けるために受験料(2024年現在:3,300円)がかかります。
入室テストが無料の塾・そもそも入室テストが存在しない塾もありますが
SAPIXは有料の方針を取り続けているため、できれば一回で合格しておきたいところです。
3年生の入室テスト対策
ここからは、入室テストを受験する3年生がやっておくべき対策を解説します。
国語 学校のテストの復習
国語の入室テストの対策は、まず学校でのテストの復習をオススメしています。
学校の国語のテストでは90~100点が取れているなら、特別な入室テストの対策は必要ないでしょう。
学校のテストの出来が今ひとつ(~70点くらい)なら、間違い直しはもちろんですが、誤答している問題の共通点を明らかにできるといいですね。
苦手な問題の共通点を見つけた上で対策するのが理想ですが、それは次のような取り組みで十分です。
- 物語文が苦手 → 文章の音読・精読(ゆっくり丁寧に読む)、気持ち言葉を丸で囲む
- 説明文が苦手 → 接続詞を丸で囲んで文のつながりを考える
- 記述が苦手 → 問いに対する答えになりそうな本文の箇所を見つけて線を引く
入室テストでは50~100字の記述問題が出ることも。
部分点で着実に稼ぎたいので、怖がらずに書いてみることが大切です。
国語 漢字の復習(トメ・ハネ・ハライ)
国語の入室テストでは、大問1で漢字の読み取り・書き取り問題があります。
後半の読解問題で時間切れになるリスク等を考えると、漢字で手堅く点数を取ることで合格点に近付きたいですね。入室テストまでの期間で復習するなら、漢字をおさらいしておくのが効率的です。
漢字は止め・ハネの誤りだけで×になるので要注意です!
算数 簡単な計算問題
算数の入室テストでは、ひらめきを求める問題の出題があります。
正答率が10%を下回る問題もあり、制限時間内で答えにたどり着くのは至難の業です。
一方、入室テストを通過するという観点では、前半の計算問題でミスしないことが重要です。
ケアレスミスが心配なら、ドリルなどで反復練習してミスの原因を確認しておきましょう。
より上位のコースで入室することを目指すなら、難しい問題にもチャレンジして思考力を鍛えておきましょう!
(入室後にもコース昇降を繰り返すので、最初のコースは基本的に気にしなくてOK)
3年生のSAPIX入室テスト対策にオススメの公式書籍
10万人以上を指導したSAPIX小学部では、これまで数多くの書籍を監修しています。
一部の書籍は生徒や保護者のみを対象に校舎で販売していますが、書店でどなたでも購入可能な書籍はSAPIX生以外からも支持を集めています。
そこで以下の項目では、3年生を対象学年としたSAPIX公式書籍の中から、書店で販売している入室テスト対策にオススメの本をご紹介します。
実際に書籍を手に取った保護者の方から
サピログにお寄せいただいたご感想もご紹介します!
①きらめき思考力パズル 小学2〜4年生 数センス入門編
教科:算数
対象学年:小学2年生~小学4年生
価格:本体980円+税
数学的センスを磨くのに効果的な一冊です。
法則性や規則性を見抜く力を養えますが、難しい知識を求められるわけではなく、四則計算ができれば十分に取り組めます。
この本と「図形センス入門編」を購入して、娘が毎日1ページ解いています。
娘は算数が得意ではなく、あんまり乗り気ではありませんが…
1ページ5分くらいあれば解けるので、サクサクやるのにちょうどいいドリルです。
②きらめき算数脳 小学3・4年生
教科:算数
対象学年:小学3年生~小学4年生
価格:本体1,900円+税
問題を反復練習するより、じっくり1問1問考えて解きたいならこちらがオススメ。
オールカラー印刷で解答解説が取り外せるのもうれしいポイントです。
5月の連休前、息子(小3)の家庭学習用に購入しました。
息子は算数が得意な方なのですが、どのページも最初の問題は少し苦戦しています。
コツをつかんだあたりで問題がさらにステップアップするので、難易度の設定が絶妙だな~と親も感心してしまいます。
3年生のとき娘に「きらめき算数脳」を買ってあげたところ、予想以上に興味を持っていたので中学受験を考え始めました。
娘は新4年生の2月からSAPIXに入りましたが、シンプルな計算だけでは解けない問題がSAPIXの算数の授業にも多いようで、きらめき算数脳で鍛えた論理的思考力が生きているようです。
③SAPIXの漢字学習字典 SAPI×漢 改訂版
教科:国語
対象学年:小学1年生~小学6年生
価格:本体1,400円+税
小学校で学習する1,026字すべての漢字を学年別に収録した漢字学習字典です。
漢字の意味・読み・筆順と画数・用例を盛り込んでいて、漢字勉強の拠り所となる一冊です。また、成り立ちやイメージを表すイラストが描かれているので、それぞれの漢字を印象付けて覚えられます。
とにかく見やすい漢字辞典です!
わたし(国語科)も、A授業を担当する日は授業に持っていくことがありました。漢字を指導する時のポイントがすべて結集された一冊です。
漢字は書体がいくつかあると聞きましたが、ネットの情報はどれも不正確なので、家で厳密に採点できないもどかしさを感じていました。
SAPIXの採点基準がこの本で分かるので、我が家で重宝しています。
まとめ
ここまで、SAPIX小学部の3年生の入室テストの概要・対策を解説しました。
入室テストの関門を乗り越えれば、晴れてSAPIX生への仲間入りです。無事に入室テストを通過し、SAPIXで仲間たちと高みを目指せることをお祈りしています。
参考書籍(こちらもオススメ)
本記事中で登場したSAPIX監修書籍は以下の通りです。