【徹底比較】SAPIXと早稲アカの費用や偏差値・宿題・保護者の負担
SAPIXと早稲アカの費用や親の負担・合格実績の違い
首都圏エリアの中学入試の合格実績を争うSAPIX小学部と早稲田アカデミー。
この2つの学習塾の違いはどんな所にあるでしょうか?
元SAPIX講師である筆者が、次の5つのポイントから両塾の違いを分析します。
- 授業内容
- 費用
- 宿題
- 保護者の負担
- 合格実績
比較ポイント① 授業内容
まずは、SAPIX小学部と早稲田アカデミーの授業内容や使用テキストを比較します。
SAPIX:テキストは授業当日配布の「復習主義」
SAPIXは公式HPにもある通り「復習主義」を掲げる塾です。
授業で使用するテキストはSAPIX独自のものですが、いずれも授業当日に配布されるので、初めて見る文章・解く問題と毎回向き合うことになります。生徒の知的好奇心を刺激し、密度の濃い授業につながるのが魅力です。
早稲アカ:四谷大塚の「予習シリーズ」テキスト
早稲アカは、四谷大塚の有名テキスト「予習シリーズ」をメインに採用していて、SAPIXとは反対の「予習主義」だと言えるでしょう。
このテキストは首都圏の中学受験生の半数が使用しているとも言われ、丁寧な解説で自主学習しやすい内容です。予習シリーズに加え、早稲アカの独自教材を併用することで授業内容の定着を図ります。
比較ポイント② 費用
次に、SAPIX小学部と早稲田アカデミーの費用を比較してみましょう。
ここでは6年生の授業料やテスト・書籍代を中心に比べます。
SAPIX:授業料66,000円/月 + 諸費用
SAPIXの6年生の授業料は、2024年度の首都圏校舎で66,000円/月(税込)です。
この授業料には、必修テキストや施設維持費・冷暖房費などが含まれています。
以下に、追加で発生する費用の例をご紹介します。
- 公開テスト受験料:6,050円×2~4回
- 地図帳や問題集などの書籍代:20,000~30,000円
- 特別講習費(夏期講習、難関校SS特訓など)
早稲アカ:授業料50,050円/月 + 諸費用
早稲アカで、中学受験生が対象のSコースの授業料は2024年時点で50,050円/月(税込)です。
また、HPには金額の記載がありませんが、上記以外にも次の費用が発生します。
- 土曜YT講座(2~7月・必修)
- 教材費
- 必修テスト代
- 特別講習費(夏期講習、志望校別対策講座など)
SAPIXと早稲アカの費用は大差ない
「早稲アカはSAPIXより安い!」という意見を耳にします。
確かに授業料を単純比較すると1か月で1.6万円の差があります。
しかし、早稲アカには教材やテストなどの必須費用が含まれていないことに注意しましょう。
早稲アカとSAPIXで、費用の差は実質ほとんどないと考えていいでしょう。
比較ポイント③ 宿題
次に、SAPIX小学部と早稲田アカデミーの宿題について分析します。
SAPIX:宿題量少なめ・講師のチェックが手薄になりがち
SAPIXの宿題(家庭学習)の量は、休みの日に問題なく終えられる量です。
宿題の多くは復習内容で、講師指定の問題・解き直しが宿題として出されます。講師側の裁量で宿題量は変わりますが、理不尽なほど多い例はほとんどありません。
また、講師による宿題チェックは授業前の約30分で行われます。
生徒45人(15人×3コース)分の宿題をチェックすると仮定すると、1人分の宿題につき40秒しか時間がないので、計算ミス・誤字脱字などの細かい点は家庭でチェックする必要があります。
全ての生徒が宿題(家庭学習)を提出するわけではないため、現実にはもう少し時間をかけてチェックできました。
早稲アカ:宿題量多め・講師のチェックが充実
早稲アカの宿題(家庭学習)の量は、SAPIXと比較すると多いようです。
SAPIXとは違う「予習重視」のスタンスや、予習シリーズと早稲アカ独自教材を併用する方針などが、宿題の多さにも反映されています。
また「宿題をやってこないと先生に怒られる!」という声があるのも、体育会系と評される早稲アカならでは。厳しくも愛がある指導で、生徒の成績アップにつなげています。
比較ポイント④ 保護者の負担
次に、SAPIX小学部と早稲田アカデミーに通塾させたときの保護者の負担です。
費用面は上で解説した通りなので、その他の負担を比較します。
SAPIX:保護者の負担大・個別塾併用も多数
SAPIX生の保護者の負担は非常に大きいと言えるでしょう。
SAPIXの授業は導入部分がメインなので、授業後には家庭学習が必須。保護者が4教科をまんべんなく理解していないと、家庭学習をスムーズに進めることが困難です。また、日々増えるテキストの管理・定期テストの見直しサポートも保護者の役割になります。
共働きなどで時間がないご家庭では、SAPIX準拠の個別指導塾「PRIVATO(プリバート)」を活用するケースも増えています。
早稲アカ:保護者の負担小・個別塾併用も視野に
早稲アカ生の保護者の負担は、SAPIXに比べると軽いようです。
面倒見の良さや手厚いフォローが早稲アカの魅力なので、勉強面のサポートなどの保護者の負担はそれほど大きくありません。とはいえ宿題が多いので、優先順位決めや取捨選択の協力は必要です。
早稲アカの個別指導塾が「早稲田アカデミー個別進学館」です。早稲アカの集団授業の方針を軸に、生徒にあったスタイルでの指導が受けられるので、こちらも併用するケースが増えています。
比較ポイント⑤ 合格実績
最後に、SAPIX小学部と早稲田アカデミーの合格実績を比較します。
【2024年2月7日最新】SAPIXと早稲アカの合格実績
2024年度における、SAPIXと早稲アカの合格実績の一部を紹介します。
在籍生のカウント方法が微妙に異なるため、あくまでも参考としてご覧ください。
中学校名 | SAPIX | 早稲アカ |
---|---|---|
開成 | 245 | 137 |
麻布 | 182 | 102 |
武蔵 | 57 | 73 |
桜蔭 | 189 | 69 |
雙葉 | 45 | 58 |
女子学院 | 131 | 94 |
筑駒 | 80 | 51 |
早実 | 48 | 69 |
早大学院 | 63 | 73 |
渋幕 | 380 | 218 |
名門男子校の筑駒・開成・麻布や、女子御三家に数えられる桜蔭・女子学院の実績ではSAPIXに軍配が上がりました。一方、武蔵・雙葉・早実などは、早稲アカの方が多数の合格者を出しています。
SAPIX小学部と早稲田アカデミーの違いを考慮して塾を選ぼう!
ここまで、SAPIXと早稲アカの特色を5つのポイントで比較しました。
それぞれ個性のある塾だからこそ、お子様やご家庭との相性を見極める必要があります。資料を請求したり説明会に出席してみたりして、ベストな塾選びができることを願っています!